会話の練習で問われるのは、中身です。難しいことを、わかりやすく、ていねいにお伝えできているか。その中心にiRolePlayが置いているのが、「論点」という考え方です。論点——何について話すか(トピック)のなかで、判断や説明が必要になる問い——を切り出します。取り上げる論点と取り上げない論点は、ねらいに応じて選べます。問いごとに納得を重ねることが、会話での理解の積み重ねになります。
論点を持たせているのは、相手役を生成AIにそのまま任せると、どこまで話せば足りるのかの判断と、特定のお客様像を最後まで演じ切ること——この2つができないからです。
このページでは、この「論点」という考え方と、知識を覚えるところから本番形式で試すところまでを支える6つの機能をご説明します。トップページでご紹介している「論点を切り出し、その回に扱う範囲を決める」を、実際にどう行っているかにあたる部分です。
どちらも、会話の中身を練習し、測るためのしくみです。
トピックだけを決めて話し始めると、話は発散します。どこまで話せば伝わったことになるのかが、決まっていないからです。だからiRolePlayは、トピックの一段下——論点——まで落とし込みます。
トピックは「何について話すか」という、話の枠組みです。それに対して論点は、そのトピックのなかで判断や説明が必要になる問いを指します。トピックは名詞の形(〜について)、論点は問いの形(〜はどうか)になります。
たとえば、面談のトピックが「新しい製品のご提案」だとします。そのなかには、次のような問いがあります。
新しい製品のご提案
何について話すか、という枠組みです。ここを共有しても、意見が分かれることはありません。
その枠組みのなかで、答えを出すべき問い
「いまお使いのものと、何が違うのか」「導入すると、どこにどれだけ効果があるのか」「切り替えるときに、何に気をつければよいのか」——この一つひとつが論点です。
論点まで落とし込むと、何に答えれば話が前へ進むのかが決まります。
iRolePlayは、この論点を、その回の会話で取り上げるか取り上げないかまで含めて、機械が判定できる形で持っています。資料の中身をただ検索して取り出すのではなく、この面談ではどこまでを話すのかという範囲までを、会話の状態として持っています。
たとえば、ある商品についてご説明する面談のコースをつくるとします。同じ資料の中身でも、その回で何を練習していただきたいかによって、扱いが次のように分かれます。
| 資料に書いてあること | その回の面談での扱い | 状態 |
|---|---|---|
| 今回ご説明する内容と、 想定されるご質問 | この面談の中心に置く | 取り上げる |
| 今回のねらいから外れる、 周辺の情報 | 主たる論点ではないため、この回では取り上げない | 取り上げない |
| 相手の立場や場面によって、 触れ方が変わる事柄 | 場面と相手に応じて、扱うかどうかを決める | 条件つき |
論点は、その回の練習で何を身につけていただきたいかに応じて選びます。特定の話題を一律に禁じる、という設定ではありません。主たる論点にならない事柄は、そのコースでは論点として取り上げない、という設定ができます。反対に、ふだんは中心に置かない事柄であっても、それ自体を練習の主題にしたいときは、主たる論点として中心に置きます。同じ資料から、ねらいの違う回をいくつもつくれます。
なお、論点は会話のなかで動きます。お客様の反応を見て順番を変えるのは実践的な工夫であり、そのとき話は、予定していた論点から別の論点へ移ります。iRolePlayは論点の単位で追い続けているため、この移動そのものを捉えられます(工夫と逸れをどう見分けているか)。
さらに、ひとつの会話のなかにも、その面談の中心となる主たる論点と、そうではない論点があります。トレーニングで大切なのは、主たる論点を取り違えず、正しく理解し、正しく説明し、お客様にわかりやすくお伝えできることです。
あわせて、論点をどう組み立てて話を進めたか——その流れが整っているかどうかも見ています。話の運びは、お客様の理解の進み方をそのまま左右します。お客様と一緒に最適解をつくっていく場面では、なおさら実践的な訓練になります。
この2つは、あらかじめ台本を用意する方式では練習できません。台本は決まった順番のやり取りしか用意できないため、どの論点を中心に据え、どう組み立てて話すかを、練習される方ご自身が選ぶ余地が残らないからです。
ひとつは、どこまで話せば足りるのかを、生成AIは判断できないことです。社員どうしでロールプレイをするときは、トピックを決めれば足ります。「この話題は、このくらいの深さまで話せば伝わったことになる」——それは、同じ現場にいる者どうしの慣れが埋めてくれるからです。
生成AIには、それが分かりません。知識を持っていないからではありません。この会話にはどれだけの論点があり、どの深さまで話し、相手がどこまで理解できたら次へ進んでよいのかを、社員のようには分かっていないからです。
そこで、iRolePlayでは2段階で設定します。
相手と、必要な理解の程度を決める
相手はどのようなお客様か。そして、そのお客様にご理解いただくには、どの程度の理解が必要か。まずここを決めます。AIに人格を設定して対話を再現するのも、この段階です。話の深さの基準がここで定まるため、AIは「まだ足りない」「ここまで話せたので、次へ進んでよい」を判断できるようになります。
話の流れ——論点の組み立てを決める
シーン設定のなかで、どの論点を、どの順で扱うかを組み立てます。会話タイプ(進める・確かめる・伝える・引き出す・共に創る——会話のねらいを5つに整理した体系です)が変われば必要な論点も変わるため、この組み立てもタイプごとに変わります。
もうひとつの理由は、生成AIには相手に寄り添うようにふるまう性質があることです。そのままでは、話がかみ合っていなくても受け入れてくれたり、こちらの言い分に沿った反応を返してくれたりします。特定のお客様像を、最後まで演じきることが難しいのです。それでは、主たる論点を外したことにも、話の流れが崩れたことにも、練習する側は気づけません。
iRolePlayが論点を会話の状態として持っているのは、このためです。そのうえで、相手役と評価役には、役割の異なるAIを使い分けます。相手役の生成AIには、その場面で扱う論点と、どのようなお客様かという設定を渡します。だから顧客役を最後まで務め切れます。評価は、当社の評価レイヤー(特許取得)が受け持ちます。会話の最中に、主たる論点にたどり着けているか、どの論点が抜けているか、話の組み立てが崩れていないかを捉え、うまく話せている点、話せていない点、そして具体的な改善策を、その場でお返しします。
論点は、御社にご記入いただくものではありません。すでに社内にある資料から、AIが切り出します。コースそのものもAIが自動で生成します。シナリオ・相手役の人物設定・模範解答を人手で書き起こす作業がないため、1本つくるのに何日もかかりません。
資料をお預かりする
勉強会資料、セミナー動画、社内マニュアル、FAQ。PowerPointなどのオフィスファイルのほか、音声・動画もそのままお使いいただけます。台本も要約も、事前のご準備はいりません。
論点と質疑を抽出する
資料の中身から、その会話で答えを出すべき問い——論点——と、想定されるご質問を切り出します。たとえば製薬企業様なら「どのような患者さんに適しているのか」「安全性の面で何に注意すべきか」「既存の薬と何が違うのか」といった問いです。
このとき、どの論点が必要かは、会話タイプによって変わります。製品の価値を端的にお伝えする回と、お客様の課題を聞き出す回とでは、取り上げるべき論点が同じではないからです。シチュエーション設定(論点の組み立て)を行うとき、AIは会話タイプに応じて必要な論点を自動で並べ、論点ごとに「何が言えている必要があるか」まで設定します。
確認して公開する
AIが生成するのはたたき台です。御社の管理者が内容を確認・調整したうえで公開します。商品が改訂されても、資料を差し替えて作り直すだけです。
お預かりしてから最短20分で、実際に動くコースが完成します。専門の担当者を立てなくても、現場の管理者ご自身でご用意いただけるため、気づいた方がその場で練習内容に反映できます。
※ 所要時間は、ご用意いただく資料の分量や内容によって変わります(目安:20〜30分)。
iRolePlayの機能は、大きく2つに分かれます。①〜③はインプット——知識を正しく覚えるための機能です。④〜⑥はアウトプット——覚えたことを使って話し、その結果を測るための機能です。
知識を固めてから本番形式に進む。この順番が、練習の効率を大きく左右します。
| 機能 | 区分 | どのような機能か | 主に見る観点 |
|---|---|---|---|
| ① 一問一答 | インプット | 覚えるべき重要なフレーズを、声に出して練習します。移動中は聞き流しでもお使いいただけます。 | 論点ごとに、正しく答えられた割合 |
| ② 教えてAI先生 | インプット | お預かりした資料の範囲内で、AIに質問して即座に答えを得られます。範囲の外のことには答えません。 | 答えられなかった論点を、自分の言葉で説明できるか |
| ③ 理解度チェック | インプット | どこまで身についたかを確認します。合格して次へ進む方式で、「分かったつもり」を防ぎます。 | 論点ごとの到達度と、守るべき一線(その場面で口にしてはならない表現や、踏み込まないと決めた範囲) |
| ④ 説明会 | アウトプット | 20〜30枚のスライドを通しでご説明いただく、最終確認にあたる機能です。AIの採点に加えて、人の目でも確認します。 | 論点の網羅/構成/守るべき一線 |
| ⑤ フリートーク (資料を使う) | アウトプット | スライドを部分ごとにご説明いただき、その場で評価します。 | 論点ごとの、伝え方の正確さ |
| ⑥ フリートーク (会話タイプ別) | アウトプット | 製品のご説明・ニーズの把握・価値共創といった面談を、AIを相手に実演します。 | 論点ごとの複数の評価軸と、重要フレーズを言えた割合 |
「フリートーク」は、⑤フリートーク(資料を使う)と⑥フリートーク(会話タイプ別)をまとめた呼び方です。②教えてAI先生がお答えするのは、お預かりした資料の範囲内に限られます。AIが事実でないことを述べる可能性を「ゼロ」と申し上げることはいたしませんが、範囲の設定と、範囲外に出たことの記録によって統制し、事実の最終確認は人が行う設計にしています。